3 詩吟を吟じるために大切な発声のしかた

(7)イントネーションとアクセント

① イントネーションとアクセントの違い

日本語は高低のアクセントであります。 アクセントは、音程の高、
低のこと。

イントネーションは、感情を込めることによって自然と言葉に強弱が
つくこと。

イントネーションは思い入れをするほど、感情を込めるほど、強くなり
ます。
腹筋は緊張して、横隔膜が上に緊張するのを感じます。
詩語の後で、気持ちを上げるように朗読すると、次の言葉に心がつながり
ます。

腹筋を働かせて、イントネーションを強くすれば、感情を強く表現するこ
とができます。

朗読は、日本語の正しいアクセントで、朗読することが大切です。
詩の意味や情感を聞く人に伝えるためには、イントネーションが大事です

語尾のイントネーションが上がっているときは次ぎの言葉につながる作用
がありイントネーションが下がると、言葉は、切れて、そこで終止を暗示
し、 詩文が切れて聞こえ、詩情は、伝わりません。

② イントネーションのつけ方   !!

(イントネーションとは:話す時の抑揚。感情を込めることによって、
自然と言葉に強弱がつくこと)

イントネーションを上げる、又は下げるときに、第一発声法(中声と弱声)
と第二発声法(強声)を使いわける。

第一発声法 (密度高く小さく響く声)

音階が上がるにしたがって、発声のポイントも重心も上げる。

第二発声法

音階の上行とは逆に、音階が上がるにしたがって、重心を押し下げる。

③ 吟を吟じる前に、その詩文を繰り返し朗読して、意味を十分に理解
した上で,どこで、イントネーションを上げるか、下げるかを考えながら、
朗読することが、大切です。

例「せんかく」では 「く」のイントネーションを上げますが、「く」は
密度高く、小さく響く声、すなわち第一発声法で、胸に響かせます。

吟じる前に、その詩文を繰り返し朗読して意味を十分に理解した上で、
どこでイントネーションを上げるか、また下げるかを考えながら、朗読
することが大切です。
感慨を深める
感慨を、深める為に大事なことは、助詞を強調すること。又切って間をあ
けること。詩句の末尾が、感慨を強調する、ポイントになります。

例 「せんかく」の「く」のイントネーションを上げるとき、「クウ」
とすぐに母音に開かずに「ク」の父音を保持することが大事。父音を保持
して、母音は明瞭に発声します。

次に (三’)から(五)に上がります。

例 「 洞中の」
この二つの音階は、四のハーモ二ーに調和する音階で、四のハーモニー
は「悲しい」とか「寂しい」など、愁いや、寂寥感を感じさせる、
ハーモニーです。 したっがて、第一発声法で、「どうちゅうの」と胸
に響かせながら寂しい気持で吟じ、助詞の「の」で、イントネーション
を上げます。
イントネーションを上げた密度の高い助詞の「の」から、生み字の母音
の「オ」に導いていきます。

生み字の「オ」寂しい感情を捨てて、第二発声法で重心を下げ、
強声で吟じます。