詩吟の音楽性
吟詠は、日本人の心をうたう音楽。
吟詠は、邦楽。
吟詠は、漢詩や和歌、近代詩などを音楽的表現で、又その素材を
音楽的に表現する。
(1)音楽について。
音楽を形成する、三要素として、メロデイ―、 ハーモニー、
リズム、があります。そして、主題、形式、調性、拍子、テンポ、
楽器などで構成されています。
①メロディーとは・旋律(せんりつ)、うたのふし、音の高低、
長短によってあらわされる、連続する音の流れで、メインになる
音楽の流れのこと。
②ハーモニー・和音、調和(ほどよく合うこと)音楽に広がりを持た
せる。
③リズム ・(韻律)発話における強勢、抑揚、音楽は時間によって
進む。音の時間的リズム。役割は音楽に表情をつけるために、
音を細かく分けること。拍子 (間)
音楽に欠かせない三要素、その一つの、リズムだけでは、音を楽しめ
ない。メロディーだけでは音楽に深みが出せない。
(2)詩吟では。
①音楽のメロディーに相当するのが旋律で、ふしまわし、音の高低に
関する事項などです。
メロディー本位の歌謡曲とは異なり言葉が、はっきり聞き取れた上で
その意味を理解するという「語りもの邦楽」的、特徴があります。
②ハーモニーは、調和で、音程がくるってないか、伴奏曲と吟が調和
しているか吟の出だしのタイミングが、合っているかが問われます。
又声に響きはあるか、共鳴しているか。
③リズムについては、音の調子、音の時間的リズムで、拍子、間の取り
方です。音楽の基本である、音程を正しく表現する。正しい音程の表現
は吟詠も同じです。
詩吟が、旋律(音の高低、長短によってあらわされる、連続する音の
流れ、ふしまわし、メロデイー)をともなっている。
吟調に声量と迫力のみならず、美しさ、柔らかさ、味、個性、音楽性な
どの、豊かさを持つ。
このように、音楽的性質を持った詩吟、語り物でもある詩吟、両方を
持ち合わせた日本古来の伝統芸能です。
しっかりと基本を大切に練習したいものです。
(3)詩吟のリズム
一般の歌曲は、歌詞となる言葉のリズムと、旋律のリズムが一致して
います。詩吟のリズムは、言葉を読み、言葉の終りの母音(生字)に
よって大きくリズムをつくっています。
これは「呼吸運動」や「漢詩の形式」による影響を強く受けています。
詩吟が、音楽芸術であるためには「起・承・転・結」という、漢詩の
作法による、旋律の構成を反映する必要があります。
詩吟の旋律は、起句でうたい起こした事柄を、承句で展開し、転句で
転換した内容を結句でまとめ、結ぶという、構成にする必要があり
ます。そのために、音程関係によって生じる「音の表情」を利用して、
リズムとしての、時間的な組み合わせを考えます。
これが、詩吟独特の旋律が必要となるわけです。
そこが、音楽でありながら、音楽とはことなるわけです。詩の内容に
より、その表情をつくる為、色々な旋律(旋律型)を作ることになり
ます。
時間の秩序については、専門にまかせます。