1 音節の強弱と間 音節

(1)間について

日本人は生活の中に「間」という空間意識が、自然なかたちで生か

されています.
「隙間」「間取り」「間合」など、「間」が良い「間」が 悪かった。
「間」に合わない、など他にもいろいろ使われています。
我が国の古典芸能は、すべてこの「間」を大切にし、「間」に命を
かけていると言ってもいいのではないかとおもいます。

落語や講談、能、狂言、浄瑠璃、歌舞伎、日舞などすべてが「間」
の芸術です。 私たちの吟剣詩舞も「間」の世界です。

強弱の関係が、フリーテンポですが、そこには、心地よいリズム
「間」というものがあります。
優れた、剣詩舞道家の演舞は、何とも言えない「間」に引き込まれ
ます。 吟詠も、同じテンポで進行して行くのではなく、詩情により、
語意によって、強弱や、緩急遅速の変化に伴う「間」というものが
大事です。

(2)聞く人の、心に残る吟詠を目指すには、どのようなことを、
心がければよいでしようか。

①言葉を、どのようにして、強弱のリズムに当てはめるか。
それは、言葉の強弱を一拍子のリズムに当てはめます。拍の強弱
「強、弱、強, 強、弱」という、西洋音楽のようなリズムは、日本
音楽 には、ありえないと言う事を念頭に置いておきます。

で「強、弱、強、弱、強、弱、強、弱」で表現します。

(3)強弱と間と音色

①その詩を読んで読んで、十分にその詩意を、理解すること。
その詩が作られたさまざまな背景又作者の歴史的背景などを知って
おくことも必要。それらを自からの心に据えた上で朗読を繰り返す
ことにより、自然と言葉の強弱や緩急、そして間をつかむことが
できるのではないでしょうか。

②音色:音の持つ性格を色になぞらえたものであり音の調子ねいろ、
ト-ンなどです。
それぞれの人が、生活環境によってそれぞれ異なった、
音色を持っています。詩歌を吟詠する時に、その詠う素材が、
陰施法であればそれに調和するような音色で吟じることが、
大切です。
調和しない洋楽的な声で吟じた詩吟は、いくら音程が合って、
いても音色的にちぐはぐな感じがします。
陰性法に調和する詩吟の節調の大部分が陰施法に調和して、

陽施法に調和しない、音色(音質)を持った人がより調和

して聞こえます。